《推定少女》章节试读

《推定少女》的笔记-第60页

毎日どころで、ぼくたちは大人にころされてる。心とか。可能性とか。夢見る未来とかを。足蹴にされて踏みつけられて、それでもまた朝になったら学校に行かないといけない。
そういった殺戮は、日本中いたるところで毎晩のように起こっているんだ。この瞬間だって、泣きそうになって夜空を見上げている中学生は、僕だけじゃない。同じ夜空を見ている誰かが、いるはずなんだ。

《推定少女》的笔记-第287页

白雪はまだ手を振っている。ぼくは叫んだ。帰りたくなかった。この期に及んでもまだ逃げたかった。だから叫んだ。
子供の言葉を。
「白雪っ......ぼくは大人になんかなりたくないよ。絶対になりたくないよ。ぼくは自分をしってる。十五歳にもなれば自分のことがわかるよ。ぼくは自分に絶望してる。ぼくにはわかる。ぼくには......」
白雪は小首をかしげて、また笑顔を浮かべた。
どんどん遠くなる。
白雪......！
「ぼくはきっとつまらない大人にしかなれないよ！」
誰か聞いて......。
大人になりたくない理由を聞いて。
怒らないで、ぼくの言い分を聞いてよ。

《推定少女》的笔记-第189页

......なにか反論したい。
ぼくののどの辺りでいろんな言葉が、声になる前に泡みたいにはじけて、消えた。望んで生まれてきたとは言い切れない。勝手に生んでさ、と文句を言いたいこともあった。恩ある親はもっとぼくを信じてくれるはずだ、とか。この手でころすみたいなこと言わずに、言い分をもっと聞いてくれるんじゃないかとか。
だいたい、ガムテープとビニール紐をもって窓から入ってきたりしないんじゃないかとか。
親に感謝なんておかしいとか。学校も、勉強も、世の中も好きじゃないとか。自分のことだって好きって言い切れないとか。ゲームは好き。お菓子も。同じ趣味を持つ、話の合う友達も。ぼくに言えるのはそれぐらいだ、とか。
そんなことは、でもぼくがなにか言おうと息を吸うたび、ヤワラの人に先に怒鳴られていまって、結局まったく声にはならないのだった。
「どれだけ親に心配かければ気が済むんだ。満足か？悲しませて苦しませて、怪我までさせて、満足か？このばか娘。反省しろ。もっとちゃんと生きろ。世の中をなめるな」
「......自分の子供にも、そういう態度？」
やっとそれだけを言った。
ヤワラの人は、一瞬、無表情になった。

《推定少女》的笔记-第282页

夜の学校は真っ暗でしんと静まり返っていて、かすかに硝煙の匂いがした。ああ、ここは戦場なのだ。世の中のあちこちからいやないやな匂いが立ち上がっている。いちいちぼくはそれに気づく。だけどその匂いの中、なんとかして生きていかないといけないんだ。なんとかして生き残ってなんとかして大人にならないと、死んでしまう。
......
夜空に不吉に浮かび上がる学校の暗い灰色の校舎が、ぐにゃりと歪んで液体のようにうごめき、ぼくたちを追いかけてきた。ぼくは泣き出した。どこにも帰りたくなんてなかった。ただ逃げたかった。ここ以外のどこかに。誰かに魔法みたいに見事に助けてほしかった。別の世界に行きたかった。だけど誰にも迷惑をかけたり心配させたりしたくなかった。おかあさんを悲しませたくなかった。自分だけ我慢すればいいという気もしていた。
誰か助けてよ。
魔法みたいにぼくを助けて、別世界に連れて行ってよ。
大人になりたくないよ。努力したくないよ。もっともなことを頭ごなしにいわれて返事もできずにふてくされて黙り込む。そんな毎日はもういやだ。
だけど戦死したくはないんだ。